鋼管うんちく

鉄パイプは溶接前のカットが重要!切断加工の方法や注意点は?

2024.05.21
鉄パイプは溶接前のカットが重要!切断加工の方法や注意点は?

鉄パイプの溶接精度は、前工程であるカットの精度が大きく関わります。カットが正確でないと、溶接部の接合が不安定になり、製品の品質が低下する恐れがあるからです。

そこで今回は、鉄パイプのカット方法や使用する加工機、カットに関する注意点について解説します。また、私たち宮脇鋼管で実際に作業している様子や、使用している機械、加工事例・加工工程にも触れています。

切断加工の種類について知りたい方や、業者選びで迷っている方は参考にぜひご覧ください。

鉄パイプの加工には何がある?

鉄パイプの加工には、切断や曲げ、穴あけ、溶接などの工程があります。また、明確な定義はないものの、素管に加工を行うことを一次加工、そこからさらに加工することを二次加工と呼んでいます。

通常、溶接など部材同士を組み立てていく工程に入る前に、そのパーツとなる部材を準備しますが、この時に実施するのが切断や曲げ、穴あけといった加工です。

そして切断加工には、長さを整える切断加工(カット)、溶接などの接合に向けて接合部分を整える開先加工、溝を掘るスリット加工、バリ・カエリを除去したり見栄えを整えるための面取り加工などがあり、そこからさらに細かく加工方法や技術が分かれていきます。

切断加工の主な技術 内容
切断加工(カット) 長さを整える
開先加工 接合のために端部を整える
スリット加工 溝を掘る
面取り加工 バリ・カエリを除去する、見栄えを整えるなど

ここでは、長さを整える切断加工(以後、わかりやすくするためカットと呼びます)の種類や方法について解説していきます。

鉄パイプのカットの種類

鉄パイプのカットには、切断面に対して直角にカットする「直切」と、斜めにカットする「斜切」の2種類があり、どちらも宮脇鋼管が最大の自信を持ってご提供する加工サービスです。

カットの種類①:直切

カットの種類①:直切

直切とは切断面の角度が90度になるカットのこと。宮脇鋼管では自社開発の切断機を使用し、小径から大径まで、高い精度でカットすることができます。

宮脇鋼管の「直切」 >

カットの種類②:斜切

カットの種類②:斜切

斜切とは鉄パイプを斜めにカットする加工技術ですが、ただ単純に斜めに切れば良いものではなく、複雑で高度な技術が必要な加工となっています。

特に多くの加工現場で失敗しやすいケースが、発注元との認識相違による加工ミスです。例えば、鉄パイプを横から見て菱形の形にカットしたい場合、全長の認識相違が発生しやすくなっています。

そのため、宮脇鋼管では加工に入る前に図面をしっかりと共有するだけでなく、認識を合わせるために模型を作るなどし、このような認識相違による加工ミスを防いでいます。

宮脇鋼管の「斜切」 >

鉄パイプのカット方法

鉄パイプのカット方法は口径や厚み、カット後の工程、用途、量、精密度などに応じて選びます。ここでは、代表的な鉄パイプのカット方法について見ていきましょう。

カット方法①:パイプカッター

パイプカッターとは鉄パイプを挟んで回転させながらカットする工具で、鉄パイプ以外の金属や塩ビパイプのカットなどにも使用します。直径3mm〜50mmまでのパイプに対応していて、手持ちタイプと置き型タイプがあり、さらに手動式と電動式に分けられます。

カット方法②:帯鋸切断(バンドソー)

帯鋸切断(バンドソー)

帯鋸切断(バンドソー)とは、のこぎりの刃を帯状(バンド状)にしたもので、この帯状の刃を高速で回転させて鉄パイプをカットします。水平方向にカットしていくので、切断面が綺麗に仕上がり、バリ・カエリの発生が少ないのも特徴です。

カット方法③:丸鋸切断

丸鋸切断(チップソー)

鉄パイプをチップソーやメタルソーといった丸鋸でカットする方法です。のこぎりやジグソーより作業スピードが速く、正確に切断することができます。宮脇鋼管では、年間400万本以上の加工品注文を頂いておりますが、その中でも8割以上の製品がこのチップソーによる精密切断でのご注文です。

加工工程については「宮脇鋼管のチップソー切断について」をご覧ください。

カット方法④:溶断

カット方法④:溶断によるカット

溶断とは鉄パイプを融点以上に加熱してカットする方法で、主に厚いパイプや大口径のパイプをカットする際に採用します。溶断には、ガスを使ってカットするガス切断や、アーク放電を利用してカットするプラズマ切断、レーザーでカットするレーザー切断などがあります。

カット方法⑤:3Dレーザー加工機

3Dレーザー加工機

3Dレーザー加工機は、鉄パイプに直接触れずに、レーザーでカットする機械です。カット以外にも、マーキングや彫刻といった工程も可能です。3Dレーザー加工機は他のカット方法と比べて加工の精度が高く、複雑な形状のカットにも対応できます。

カット方法⑥:プレスカット

プレスカット

プレスカットとは、鉄パイプをプレス機に取り付け、専用の金型で圧をかけることでカットする方法です。他のカット方法と比べて加工スピードが速く、コストが抑えられるといったメリットがあります。精密なカットを要する場面で採用されることが多い方法です。

鉄パイプのカット時の注意点

続いて、鉄パイプをカットする際に注意すべきポイントをご紹介していきます。

カット時の注意点①:切断面の処理について

カットした切断面が不均一だと、それ以降で行う溶接などの加工工程で不要な作業が発生したり、接合部が不安定になってしまいます。

滑らかな切断面にするためには、まずはカット方法の選択が重要で、バリやカエリが発生しないように気をつけ、バリやカエリが発生した時は綺麗に取り除くことが大切です。

カット時の注意点②:カット方法や工具の選択について

サイズの大きいパイプのカットは機械を使って自動的に行うため、基本的には正確なのですが、採用するカット方法と鋼材の相性が悪かったり、工具のメンテナンスが行き届いていなかったりすると、加工寸法が不正確になるだけでなく、加工表面の質も低下してしまいます。

そのため、カットに至るまでの調整もとても重要なのです。

宮脇鋼管のパイプカット技術

宮脇鋼管では、サイズに応じた適切な切断加工機を数十台取り揃え、3次元加工ができる設備も保有しています。さらに自社開発のオリジナル切断機も導入し、お客様のニーズに沿った切断加工が可能です。

また、「切断+穴あけ」や「切断から組み立て」など、ワンストップでの鋼管構造物製作にも対応していますので、効率化とコストダウンを実現することができます。

「急に鉄管・鋼管が必要になった」「鉄管や鋼管の切断加工が必要になった」「部材の取り寄せから組み立てまで全てお任せしたい」など、お客様の幅広いニーズに対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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鉄の鋼管をお客様がすぐに使える状態の製品に加工してお届けすることができる新しい加工サービスも実施しております。

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