配管にはいろんな材質のものがあり、流体によって管の種類もさまざまです。
そこで、今回の記事では材質別に見た配管の種類や特徴を紹介したいと思います。
材料を選択するときは用途に応じたものを選ぶことが重要となるので、あわせて解説いたします。
材質の情報を理解したうえで、配管を選定しましょう。
宮脇鋼管で使う配管の材質
宮脇鋼管で製作する配管用のパイプの材質は、主にSS材の黒と白(メッキ)になります。
SS材のSSは英語の「Steel Structure」の頭文字を取った略称のこと。正式名称は「一般構造用圧延鋼材」といって、日本産業規格における鋼材の規格を表しています。鉄鋼材料のなかでも最も流通量や種類が多く、配管用のパイプに限らず幅広いものに使用されている材質です。
また、SS材の黒と白の材質の違いは以下の通りです。
SS材 黒 | 鋼材の表面に黒色の酸化鉄が残った状態の鋼材。 材料に対して表面処理を施していない状態で、材質そのものの特性になります。 汎用的に使われる一般的な材料であり、「黒皮(くろかわ)材」とも呼ばれています。 |
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SS材 白 | 鋼材に表面処理であるメッキを施したもの。 環境によって発生する錆を防止になるほか、表面の凹凸を無くしてきれいに仕上がるため美観を求められる用途にも使用しています。 見た目は銀色ですが、配管用のパイプは「白管」や「ガス管」、「白ガス」などの名称で知られています。 |
上の表の説明通り、黒と白の材質の違いは表面処理を行っているかどうかです。
お客さまからいただいた注文内内容に沿って、指定いただいたこれらの材質を使用してさまざまな製品を手がけています。
金属材質の配管
配管に使われる材質は大きく分けて金属と非金属の2つがあります。
金属、非金属でもそれぞれいろんな種類があり、管のなかを流れる流体や用途によって材質を使い分けています。
まずは金属の材質の配管の種類についてご紹介したいと思います。
金属の配管は主にステンレスや銅、炭素鋼や合金鋼、アルミニウムが使われ、これらに添加物を加えた素材で作られています。
金属材質の配管1:炭素鋼鋼管
炭素鋼は鉄と炭素を混ぜ合わせたもので、炭素含有量が0.02%~2.14%までの合金のこと。
主に「ガス管」という名称で呼ばれており、一般に広く使用されている鋼管です。
使用圧力の比較的低い蒸気、水(上水道用を除く)、油、ガス、空気等の輸送などに使用され、黒管と白管(亜鉛めっき鋼管)の2種類があります。
金属材質の配管2:合金鋼鋼管
炭素鋼に比べて特殊な場合が多く、ほとんどは炭素鋼の代替としてではなく、固有の合金鋼でしか仕様を満たすことができない環境で利用するというケースが多く見られます。
一般的には、炭素鋼鋼管では要求を満たせない高温圧力が想定されるような場合です。
使用例としては、水管、煙管、過熱器管、空気予熱器管、コンデンサ管、触媒管、コンデンサ管などが挙げられます。
金属材質の配管3:ステンレス鋼鋼管
ステンレス鋼鋼管のメリットは、鉄の腐食による赤水、銅イオン溶出による青水などの発生がないことです。
耐食性が優れているため「腐食代」をとる必要がなく、また強度が高いため薄肉化が可能なうえ、重量は炭素鋼鋼管の約1/3いう軽さで運搬および施工が楽に。
通常の給水や給湯、排水、冷温水、消火用水などの配管用として利用されています。
金属材質の配管4:アルミ管
材質にアルミニウムを使用した配管。
鉄やステンレスなどに比べて比重が軽く、機械装置の軽量化などにも活かされています。また耐食性のよさや、リサイクルしやすいといったメリットも。
照明器具や化学工業用タンク、導電材など幅広い用途で利用されています。
非金属材質の配管
次に、非金属材質の配管についてご紹介いたします。
材質にポリエチレンやビニルを使用し、樹脂金属にはない特性で、幅広い用途で利用されています。
非金属材質の配管1:ポリ塩化ビニルライニング鋼管
鋼管の内側や外側をポリエチレンやビニルの樹脂系被膜層でコーティングしたもの。
鋼管よりも防食性に優れており、水道や工業用排水、ビルの給水などに使用されています。
ただし、耐熱性には劣るので、高温になる場所には適していません。
非金属材質の配管2:硬質ポリ塩化ビニル鋼管
鋼管の内側を硬質ポリ塩化ビニルでコーティングしたもの。
優れた耐久性と防食性で主に配水用の配管で使用されています。
非金属材質の配管3:コンクリート管
材質にコンクリートを使用した配管のこと。
多くの種類があり、大きく分けると無筋コンクリート管と補強コンクリートの2種類があります。
耐久性があり、主に下水道や農業排水用に使用されています。
非金属材質の配管4:ポリエチレン管
高密度ポリエチレンの材質を使って造られた配管。
軽量で加工が容易であり、取り扱いがしやすく下水道から給水、配水、化学工場、食品工場までさまざまな場面で使用されています。
非金属材質の配管5:ポリブデン管
ポリエチレンやポリプロピレンと同様のポリオレフィン系樹脂ポリブテンを材質に使用して作られたもの。
可とう性があり、低温・高温どちらにも強く、その扱いやすさから施工性にも優れています。
用途としては、建築設備や住宅向けの給水のほか、給油配管や冷暖房の空調用などに使われています。
配管の材質の選定についての注意点
金属・非金属とさまざまな材質の配管をご紹介しましたが、さらに細かく分類された配管の種類があり、ご紹介したこれらのほかにも多くの配管が存在します。
配管は、ただ設置すればいいわけではなく、どれを使用するか選ぶ際に多くの点に注意する必要があります。
一番大事なのは、用途に応じた材質や形状の配管を選ぶことです。
配管のそれぞれの性質をよく理解していなければ適切なものは選べません。
配管を扱う際は、まず材質や形状の種類や性質の理解を深めることが大切と言えるしょう。
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