そもそも「配管」って何? 今回は配管について深く掘り下げ、基礎知識をご紹介。
ひと言に配管と言っても水道や工場などあらゆる場面に使われており、用途によってサイズや形状、材質など、種類はさまざまです。
ここでは配管が担っている役割や、主な種類についてを解説していきたいと思います。
配管基礎知識1:配管とは
配管と聞くと、みなさんはどういったものをイメージするでしょうか。
上の写真のように、鉄のパイプがくねくねと曲がったものを頭に思い浮かべる方が多いではないかと思います。
配管とは、気体や液体、粉体などの物質を輸送するために管を取り付けることであり、また名詞として管自体のことを配管と呼ぶ場合もあります。
配管はパイプやホース、チューブなどの管を使い、管継手・バルブ・計器などで構成された流体を運ぶシステムです。
その中でももっとも中心的な働きをしているのが管(パイプ)であり、中空で断面が円形の形状のものを指します。
管継手は管同士と繋ぎ合わせるための部品で、バルブはパイプ内を流れる流体の量や方向、圧力などを調整するために、計器は流速や流量、圧力、温度計測などを目的に設置されます。
また配管とひと言に言っても水道や工場、石油パイプラインなどあらゆる用途に使われています。
大きく分けて3つの分野があるので、以下に配管の例を挙げてみました。
インフラ分野の配管
石油・天然ガスパイプライン、上下水道施設、都市ガス導管など
建築分野の配管
家屋やマンションなどの住宅・店舗・商業施設・ビル・工場などにおける給排水・衛生設備配管(給水管、給湯管、排水管、消火管)、空気調和(冷水配管、冷却水配管、温水配管、冷温水配管、蒸気配管、油配管、冷媒配管)、調理器具・暖房器具などに都市ガス・LPガスを供給するガス設備配管など
工業の配管
化学プラントのプロセス・ユーティリティ配管、原子力発電所の冷却水配管、機械の油空圧・真空配管、半導体製造装置の超純水・薬液・プロセスガス配管、食品用・医療用サニタリー配管など
上述したこれらの例を見ても、いかに配管が私たちの暮らしや産業に大きく関わり、大切な役割を果たしてくれているのかが分かります。
配管基礎知識2:材質について
パイプ、と聞くと金属製の硬質な管をイメージする方が多いかもしれませんが、その材質は金属だけでもさまざまな種類があり、さらに金属製でないものも存在します。
配管に使う材質は、主に金属と非金属(合成樹脂の管)の2つに分けれています。
配管はただ設置すればよいというわけれはなく、流体の種類や仕様する環境など、目的によってどういった材質が適しているかを見定め、用途に応じた材質や形状を選ばなければいけません。
ここでは金属の非金属の配管にそれぞれどういった種類ものもがあるのか、ご紹介いたします。
代表的なものを挙げていますが、金属・非金属の2つからさらに細かく分類されていくため、適した材質を選ぶには配管の性質をよく理解しておく必要があります。
金属
鋼やステンレス、アルミニウム・銅などを使った配管は「金属管」と呼ばれています。
【金属管の種類】
- 鋼管
- ステンレス鋼管
- 銅管
- 鉛管
- 鋳鉄管など
非金属
非金属の配管は「非金属管」と呼ばれ、ポリ塩化ビニル管やポリエチレン管など合成樹脂を使ったたくさんの種類の配管があります。
【非金属管の種類】
- ポリ塩化ビニルライニング鋼管
- 硬質ポリ塩化ビニル管
- コンクリート管
- ポリエチレン管
- ポリブデン管など
配管基礎知識3:配管の種類
配管の説明で、管の中を流れる物体には液体・気体・粉体などがあることを述べましたが輸送物によって配管の種類が異なります。
配管業界ではこの流れる物体を総称して、「流体」と呼んでいます。
ここでは配管の主となる「液体配管」、「気体配管」、「粉体配管」の3つについて解説いたします。
液体配管
液体が流れる配管を「液体配管」と呼びます。
液体配管には水を輸送する水配管と油を輸送する油配管の2種類があります。
水配管は飲料水や雑用水、熱源水、高温水、蒸気、海水、純水、排水、薬液、血液、調味料などの流体が挙げられます。
また、油配管は原油、LPG(液化石油ガス)などエネルギーの伝達や給油作動油に利用されるほか、食用油などの流体も。
液体配管は内部に空気だまりができてしまうと流れにくくなるため、配管径小さくしたり空気を抜くための弁を取り付けたりといった工夫が必要になります。
また、寒さの厳しい冬季には凍結によって破損が発生する恐れがあるため、注意しなくてはいけません。
管内に水が流れることで起こる乱流は管内部の破損や腐食の原因となるので、慎重に配管をレイアウトする必要があります。
気体配管
気体が流れる配管を「気体配管」と呼びます。
流体には空気や圧縮空気、蒸気、冷媒、天然ガス、都市ガス、標準ガス、特殊ガスなどの燃料が挙げられます。
私たちの身近なものでは、エアコンの室内機と室外機をつなぐ冷媒配管があります。
冷媒配管は冷媒ガス(フロン)に熱を運搬させて、室内の熱を室外へと放出し、室外の熱を室内に取り込んで温度の調節をしているものになります。
その他は主にプラントの機械同士を接続するプロセス配管が多く見られ、真空環境を作り出すための真空配管も気体配管の一種といえるでしょう。
粉体配管
粉体が流れる配管を「粉体配管」と呼びます。
粉体は粒の集まりの流体で、小麦粉などパウダー状のものからグラニュー糖のような顆粒状のものまで、その粒の大きさはさまざまです。
液体配管や気体配管と違って、管内に流れる粉体がダマとなり詰まってしまう特徴があります。
そのため、気体や液体と同じ発想で配管を設計すると失敗してしまいます。
できる限り詰まることを防げるように、工夫しながら配管設計をしなくてはなりません。
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