鋼管などの作成時や発注時においては、設計者や施工者、発注者間で管径などの寸法の共通認識が不可欠です。
管径は、配管によって呼び径と称されるサイズが規定されていますが、「A呼称」「B呼称」「俗称」などあり、製作現場や工事現場などで使い分けされています。
今回は、設備資材の図面やカタログなどに記されている管径のサイズにはどのような記載方法のルールがあるのか、またそれぞれどのように運用されているかについてご紹介します。
配管サイズの呼び径とは
鋼管などの管径は、配管径によって「呼び径」と称されるサイズが規定されています。
JIS規格(日本工業規格) では、「A呼称」と「B呼称」、製作工場や工事現場などでは「俗称(通称)」と呼ばれ、図面やカタログなどで表記されています。
「呼び径」の使い分けに規定はありませんが、一般的には「A呼称」がよく使用されています。
A呼称とは
A呼称とは、mm(ミリメートル)系の寸法です。
「10A(エー)」「20A(エー)」と記し、主に国内での建築資材に使用されています。
単位がmmで親しみやすいため、設計者やメーカー、施工者の多くに長く使用されています。
B呼称とは
B呼称とは、inch(インチ)系の寸法です(1inch=25.4mm)。
「1/2B(2分の1ビー)」「4/8B(8分の4ビー)」と記し、国内や海外の建築資材などに使用されています。
1inchを基準に設定されていて、基本的に1/8ごとにサイズが分かれています。
A呼称との関係は、1B=25Aであり、4/8Bで約12mm、6/8Bで約20mmとなります。
輸出入が多い製品などは、管径の互換を明確にするためinch単位を基準に設計・製造が行われています。
俗称とは
俗称とは、建築現場や工場でよく利用されている配管サイズの呼び方です。
B呼称の分母を8に固定して1/8Bなら「一分(いちぶ)」、2/8Bなら「二分(にぶ)」と呼びます。
A呼称、B呼称、俗称の対応表
A呼称とB呼称、そして俗称の対応は以下の表のようになります。
A呼称 | B呼称 | 俗称 | 外径D[mm] |
---|---|---|---|
6 | 1/8 | 1分 | 10.5 |
8 | 1/4 | 2分 | 13.8 |
10 | 3/8 | 3分 | 17.3 |
15 | 1/2 | 4分 | 21.7 |
20 | 3/4 | 6分 | 27.2 |
25 | 1 | インチ | 34.0 |
32 | 1 1/4 | インチ2分 | 42.7 |
40 | 1 1/2 | インチ半 | 48.6 |
50 | 2 | 2インチ | 60.5 |
65 | 2 1/2 | 2インチ半 | 76.3 |
80 | 3 | 3インチ | 89.1 |
90 | 3 1/2 | 3インチ半 | 101.6 |
100 | 4 | 4インチ | 114.3 |
125 | 5 | 5インチ | 139.8 |
150 | 6 | 6インチ | 165.2 |
175 | 7 | 7インチ | 190.7 |
200 | 8 | 8インチ | 216.3 |
225 | 9 | 9インチ | 241.8 |
250 | 10 | 10インチ | 267.4 |
300 | 12 | 12インチ | 318.5 |
350 | 14 | 14インチ | 355.6 |
400 | 16 | 16インチ | 406.4 |
450 | 18 | 18インチ | 457.2 |
500 | 20 | 20インチ | 508.0 |
大体の目安ですが、32A~40Aは手すりなどに、70A〜125Aは照明柱などに使われる場合があります。
JIS規格とANSI規格の違いとは
日本で生産されるパイプは大半がJIS規格によりますが、外国規格の配管も一部生産・使用されています。
外国の配管はJIS規格ではなく、主にANSI規格が利用されます。ANSI規格とは、米国国家規格協会(American National Standards Institute)の略称で、主にアメリカ合衆国での工業規格の標準化を行うものです。世界的に影響力がある標準規格の一つで、ISO(国際標準機構)やIEC(国際電気標準会議)などの国際標準となることも多いとされています。
ANSI規格はJIS規格に近い位置付けですが、JIS規格の「A呼称」「B呼称」「俗称」はANSI規格の寸法と全く同じではありません。
JIS規格の単位がメートル法であることに対して、ANSI規格はヤード・ポンド法であり、どちらも他の規格との整合を前提として定められているものではないため、若干の寸法のズレが生じてしまいます。(1ヤード=0.9144m)
一般的に、国内向けの構造材料や設備資材においての表記はJIS規格が採用されることが多く、建築現場や建材メーカー、施工者において馴染みが深いものとされています。
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