鋼管うんちく

曲げ加工とは?金属を曲げる種類や特徴などの基礎知識について

2022.06.22

板金や鋼管など金属を曲げるための曲げ加工は基本的な加工方法の一つで、さまざまな種類の曲げ方を施すことによって、小さな部品や建材などの製品を作り上げています。
曲げ加工はプレス加工の一つで、単純な加工だと思われがちですが、金属の特性を理解した上で適切な機器を使用しなければ、割れが発生したり図面通りの角度に曲げることができなかったりと、技術者の高いスキルが求められる加工方法です。
そこで今回は、曲げ加工を多く手掛ける宮脇鋼管が、曲げ加工の種類や加工する上での難しさについてご紹介します。

曲げ加工とは?

曲げ加工とは?

曲げ加工とは、金属の板や管を曲げる加工方法のことです。プレス加工の一つであり、ベンディング加工とも呼ばれています。
曲げ加工の種類は多くあり、必要な形状にするために複数の曲げ加工を施したり、何種類もの金型を使用して曲げたりすることもあります。
金属加工の中では基本的な加工方法である曲げ加工ですが、曲げの際に金属が割れてしまったり、仕上がりの曲げ角度にズレが生じてしまったりと、技術者に経験がなければ失敗が多く発生してしまうものです。
そのため、単純な曲げ加工に見えても、私たちの暮らしの中で利用されている部品や建材などには、曲げ加工職人の高い技術と知識が活かされています。

曲げ加工の仕組み

曲げ加工の仕組み

曲げ加工は、プレス加工機やベンダーなどの機械に金型を取り付けることで加工できるようになります。
金型には、上の金型のパンチと、下の金型のダイがあります。パンチとダイの間に材料を入れ込んでパンチを降ろし、ダイに圧力を加えれば、ダイの形に材料が変形して曲げ部分が出来上がります。
この曲げ加工には、パンチをダイの加工終点まで押さえる方式や、パンチを途中で止めて任意の角度で曲げる方式などがあります。

曲げ加工の種類とは

曲げ加工の種類とは

曲げ加工にはさまざまな種類の曲げ方がありますが、どのような技法があるのか広く用いられているものをご紹介します。

型曲げ

ダイに乗せた材料をパンチで押し、ダイの型に曲げる加工方法が型曲げで、一般的な曲げ加工の種類です。
型曲げは、突き曲げとも呼ばれ、出来上がった製品の断面の形状によって、V曲げ・U曲げ・L曲げといった種類で分類されます。

パーシャルベンディング(自由曲げ)

パーシャルベンディングとは「V曲げ」の一種で、パンチを降ろすのを途中で止め、V曲げの曲げ角度を任意のものに調整する加工方法です。
一つの金型があれば、パンチの降ろし方によってさまざまな角度に曲げられるため、「自由曲げ」とも呼ばれています。

ボトミングベンド(底突き曲げ)

ボトミングベンドとは「V曲げ」の一種で、「ボトム=底」までパンチを押し込みV曲げを完成させる加工方法です。
「底突き曲げ」とも呼ばれ、低い圧力でも成形することができ、また安定性も高いため広く使われています。

コイニングベンド(圧印曲げ)

コイニングベンドも「V曲げ」の一種で、「コイン(硬貨)を作成する」ことが由来となっています。
ボトミングベンドと似ている加工方法なのですが、パンチの先端を材料に食い込ませるほど曲げる加工方法で、ボトミングの5倍以上の圧力が必要となります。
精密な曲げ加工ができる利点がありますが、圧力が強いために金型の摩耗が早くなるというデメリットも持ち合わせています。

鋼管を曲げ加工する際の注意点

鋼管を曲げ加工する際の注意点

鋼管に曲げ加工を施す際には、以下のような点に注意しながら進める必要があります。

割れが発生しないように注意する

金属を曲げる際には、曲げの内側には圧縮する力(圧縮応力)が発生し、外側には引っ張られる力(引張応力)が生じます。そして、曲げ外側の伸びる力が限界に達したとき、割れが発生してしまいます。
そこで、割れが発生しないように曲げ半径を大きくするほか、延性を高めるために材料を変えたり材料の圧延方向と曲げ線を直角方向にしたりするといった対策が必要になります。
また、金型で抜いた素材はダレ面側がせん断面、バリ側が破断面となりますが、破断面よりもせん断面の方が伸びやすく割れにくいため、ダレ面を外側にし、バリ面を内側とすると割れの発生が少なくなるでしょう。

スプリングバックを考慮する

金属に圧力を加えて曲げ加工を施すと、元に戻ろうとする力が働きます。この力をスプリングバックと言いますが、スプリングバックによって曲げ角度の精度が落ちてしまうのです。
そのスプリングバックを制御し、高精度な曲げ加工を行うためには、曲げ加工を複数回に分けるほか、あらかじめスプリングバックを見込んで曲げ角度を少し小さくするといった方法がとられます。
いずれの方法も、鋼材の特性を理解し、製品全体の精度のバランスを整える必要があり、技術者の経験に基づく高いスキルが必要です。

曲げ加工は鋼管加工のベストアドバイザー宮脇鋼管へ

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