鋼管うんちく

パイプの曲げ加工の方法は?曲げRや展開寸法計算を求める際の注意点

2022.06.08

パイプは、必要に応じて寸法を計算し、さまざまな角度に曲げて加工することで、美しい曲線を描く構造物を建てることができます。
パイプの材質や厚さ、径の長さなどによって曲げ加工の方法は異なり、寸法によっては高い技術を要されるのがパイプの曲げ加工です。
また、どんな角度にも曲げられるわけではなく、パイプの特性によって曲げられる最小の角度が決まっているなど、いわゆる「曲げR」の寸法を決める際には注意を払う必要があります。
今回は、パイプの曲げ加工も得意とする宮脇鋼管が、パイプの曲げ加工の方法や曲げRの寸法の決め方、曲げ加工シミュレーションに必要な展開寸法の計算方法などについてご紹介します。

パイプの曲げ加工とは

パイプの曲げ加工とは

パイプの曲げ加工とは、その言葉通り、パイプ(鋼管)を用途に適した角度に曲げて構造物などに利用することです。直線のパイプを細かく接続してもコーナー部分を造ることはできますが、二次元、時には三次元に曲げ加工を施すことでジョイント部分を減らし、美しい曲線を描いた構造物にすることが可能になります。
パイプの曲げ加工は、材質によって曲げやすさが変わるほか、同じ材質のパイプでも、パイプの厚みや径、長さが異なると曲げやすさも変わってきます。
一般的に、薄いパイプや径が小さく細いパイプの方が曲げ加工の難易度は低いのですが、寸法については、長過ぎても短過ぎても加工に高い技術が必要になってきます。

パイプの曲げ加工の方法

パイプの曲げ加工の方法

パイプの曲げ加工を行う際には、パイプベンダーなどと呼ばれる専用のパイプ加工機が必要で、パイプの厚みや径によって、適切なパイプ加工機を選択しなければなりません。
ここでは、一般的なパイプの曲げ加工方法についてご紹介します。

冷間曲げ

冷間曲げは最も広く用いられる曲げ方で、常温〜720℃以下でパイプに圧力をかけて曲げる方法です。冷間曲げという呼び方の他に、ベンダー曲げと呼ばれることもあります。
多くのパイプや鋼材は、この冷間曲げによって曲げ加工を施されることがほとんどです。

熱間曲げ

熱間曲げは高周波曲げとも呼ばれ、熱を加えると変形しやすくなる金属の性質を利用して曲げ加工を施す方法です。冷間曲げよりも小さな圧力で大きく曲げることができ、厚みのあるパイプや径が小さく鋭角に曲げるのに適しています。
また、熱を加えることで加工しやすくなり、加工後に一定の硬さ以上になり脆くなる加工硬化を防ぐ効果もあります。

寸法などで変わるパイプの曲げ加工の難しさ

曲げRの寸法の求め方

先ほども述べましたが、パイプの厚みや径、長さの違いによって曲げ加工のしやすさが変わります。
最も難しいとされるのは、パイプに厚みがあって径も大きいもので、指定の角度に曲げることが困難です。一般的には径が小さくて細いパイプは曲げやすいですが、寸法は、長過ぎるものも、短過ぎるものも加工がしにくくなります。

また、パイプを曲げた位置から曲げの中心部までの半径を「曲げR」と呼びますが、この曲げRは図面で小さく指定されるほど加工技術が必要となります。曲げRが小さいということは鋭角に曲げなければならないということですが、曲げ過ぎてしまうとパイプがその負荷に耐えられず、パイプに亀裂が入る原因になってしまいます。
パイプや鋼材ごとの特性によって曲げられる最小のR値「最小曲げR」は決まっており、これを超えて曲げることはしてはいけないことになっています。

パイプの曲げ加工に必要な展開寸法計算

曲げ加工を行う際には、安定した曲げ加工が可能かシミュレーションが必要で、その際に、立体的なパイプを展開した曲げ展開寸法を求めなければなりません。

曲げ展開寸法の計算式は以下の通りです。
L=A+B+(R+T×λ)×2п×θ/360

L=展開寸法
A・B=曲げ応力のない部分の長さ
R=曲げR(半径)
T=パイプの厚さ
θ=曲げ角度
λ=中立軸移動率(%)※経験値を採用

パイプの曲げ展開寸法は、曲げRからパイプの中立軸までの距離を求めれば概算することができます。中立軸移動率(λ:ラムダ)はパイプの厚みや曲げの角度、曲げRによって変わってきますが、概ねパイプの厚さの20~45%辺りの位置になるとされ、加工の現場では実際の経験値を採用します。

また、直線部分A・Bは曲げによる変化がないため、そのままの数値を使用します。
パイプの曲げ加工の難しさでも触れた通り、最小曲げRは素材の特性によって変わるため、設計する際は素材が割れないRを指定しなければなりませんし、加工の際には、図面通りの曲げRが実現できる素材かを見極め、場合によってはより適した素材を提案する力も求められます。

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