切削加工とは、数ある機械加工の種類なかでも代表的な技術のひとつです。
さまざまな機械や道具を使って金属や樹脂などの素材に穴を開けたり削ったりする加工技術ですが、この記事では切削加工が具体的にどういったものなのか、またどんな種類があるかなど詳しく解説いたします。
また切削加工を行うさいに注意すべきことなどもあわせてご紹介したいと思います。
目次
切削加工とは
切削加工とは、機械を使って金属やプラスチック(樹脂)などをさまざまな形状を作り出す加工技術です。
弊社の宮脇鋼管でも切削加工を行っており、主にフライス加工と穴あけ加工を手がけています。
切削加工は代表的な機械加工であり、その精度の高さからも現代のものづくりには欠かせない存在となっています。
切削とは文字のとおり工作対象物から一部を削りとることを指します。
穴を開けたり削ったり、製作物に合わせて工具や機械を選定し、設計図をもとにその仕様通りに材料を仕上げていきます。
切削加工の種類1:旋盤加工(旋削加工)
切削加工にはいろんな種類がありますが、大きく分けて「旋盤加工(旋削加工)」、「フライス加工」、「穴あけ加工」の3つがあります。使う工具や工作方法も異なるので、ここでは切削加工の体表的な種類について、それぞれの説明をします。
まずは旋盤加工について解説いたします。旋盤加工は回転させている材料に対して切削工具を当て、不要な部分を削り取りながら、狙いの形状に加工します。
フライス加工と似ているため混同しがちですが、これらの違いは「何を回転させるのか」の点にあります。
旋盤加工では、加工対象となる材料を回転させますが、フライス加工の場合は材料を固定し、切削工具を回転させながら角物を作る加工に適しています。
また旋盤加工は円盤状のものや溝を掘る加工などさまざまな種類の加工方法があり、代用的な加工が以下の5つになります。
【旋盤加工の種類】
●内径加工
●ねじ切り加工
●突切り加工
●穴あけ加工
また、旋盤加工には以下のようなものがあります。
汎用旋盤
主軸台・心押し台・往復台、送り装置・ベッドの各部品からできている、基本的な構造の旋盤になります。
作業者が送り操作や工具の交換を手動で行い、チャックとよばれる把持具で固定した工作物を高速回転させて加工していきます。 旋盤を英語で表現すると「lathe(レース)」といい、ベンチレースとも呼ばれる卓上旋盤では、小さな部品加工を作業台の上で行うことができます。
NC旋盤
NCとは「Numerical Control」の略で、数値制御という意味を表します。NC旋盤は手作業で行一般的な汎用旋盤とは異なり、コンピュータで制御を組み込んだ工作機械で行う加工のこと。
刃物や工作物の位置を正確に動かしながら加工していくため初心者でも一定以上の高品質な部品加工が行え、同一品質のものを大量に製造できることもあり作業の効率化が図れます。
また手作業の加工では難しい曲面や複雑な形にも対応できるため、加工の現場でも重宝されています。
切削加工の種類2:フライス加工
フライス加工は、固定した加工ワークに回転する刃物をあてて削っていく加工方法のことです。円筒形で複数の刃が付いた「フライス」や「エンドミル」とよばれる切削工具を使い分け、加工ワークの平面や側面、溝をなど削り出していきます。
ちなみに工具を取り付ける主軸が作業台の面に対して直角のフライス盤を「たて型」と呼び、主軸が作業台の面に対して平行のものを「よこ型」と呼びます。
ここではフライス加工に使用する機械をご紹介しますが、使う工具や詳しい加工については以下のURL先にある過去の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
●関連記事:「フライス加工とは?種類や特徴、切削機械の基礎知識を解説」
汎用フライス
汎用フライスとは、切削工具の取り付けから加工完了までのフライス盤の操作を手動で行うタイプの加工機のことです。主にモックアップやオーダー品の製作現場で多く使用されています。
後述するNCフライス盤と比較すると機械の導入コストが低い点や単純な形状の加工であれば短い時間で加工できるほか、操作性に優れている点がメリットとして挙げられます。
逆にデメリットを挙げるとすれば、人の手による加工となるため作業者の経験値や技量によって製品の精度が大きく異なる点と言えるでしょう。
NCフライス(CNCフライス)
NCは「Numerical Control」の略称で、数値制御を表しています。つまりNCフライスはプログラムによって加工を制御し、オートメーション作業を行うタイプの加工機のことです。
人の手で行うフライス盤の加工では困難な難しい形状も、数値入力により材料の位置や刃物を正確にあてて高精度に加工することが可能になりました。
また、数値化したデータを加工機の内部にあるコンピュータで数値制御を行い、自動で加工するCNC(Computerized Numerical Control)フライスもNCフライスの一種として多くの製作現場で使用されています。
人の手で行う汎用フライスと比べると加工の際に要されるスキルがなくても品質のばらつきが無く、安定した製品加工が可能な機械です。
マシニングセンタ
マシニングセンタとは、前述したNCフライスに「ATC(自動工具交換装置)」が付いている加工機を指します。
従来のNCフライスは、切削工具の交換作業が手動で、工程ごとの切削工具の交換が必要でした。しかし、NCフライスにATCを装着することによって一度の加工で複数の切削工具使用が可能となり、工具交換の手間が削減され、作業効率と製品精度の向上が両立できるようになりました。問題視されていた人件費や施工時間の増大の解消にもつながっています。
切削加工の種類3:穴あけ加工(ボール盤)
穴あけ加工とは、その字の通り切削工具を使って製品に穴をあけていく加工のことです。ボール盤や旋盤、マシニングセンタなどの工作機械を使用して加工を行っていきます。
切削工具にはドリルやタップ、リーマなどを使って回転させて素材に穴をあけます。このなかかでもドリルを使用することが多く、「ドリリング」とも呼ばれることもあります。
切削加工を行う注意点とは?
切削加工を行う際は、工具と材料との摩擦により熱が発生します。
そのため熱に弱い材料を加工する場合には、変形してしまったり、材料の性質が変化してしまったりする可能性があります。
そのような場合には、切削油やクーラントを使用したり、加工速度を調整したりするなどの工夫が必要に。加工者の技術がいることはもちろん、慎重に作業を行わなければいけません。
また加工後に発生するバリにも注意する必要があります。材料や加工の種類によって発生状況は変化しますが、切削加工を行った際には、バリが発生する可能性は高いと考えておきましょう。
バリがあると、部品の機能の妨げになったり、最悪の場合には使用者や加工者がケガをしてしまったりするケースもあります。切削加工を行う際はあらかじめ、設計の段階からバリに対する対策も考えておくようにしましょう。
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