鋼管うんちく

単管足場について解説! 特徴や部材の名称について

2023.12.26
単管足場について解説! 特徴や部材の名称について

建設の現場に欠かせない「足場」には、単管足場やくさび緊結式足場、枠組足場などの名称をもつ種類があります。
高所でも安全に作業できるように組み立てられる足場は、建設現場でとても重要な役目を果たしているものです。

今回の記事ではそんな単管足場がどういったものなのか、その特徴に加えて組み立てに使用する部材の名称についても解説いたいと思います。

単管足場とは?

単管足場とは?

足場は建設物などの工事現場において、作業員が高所でも作業できるように組み立てる構造物のこと。工事現場などで作業員が作業しているのを見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

この足場があることで、高所でも安全にかつ効率的に業務を進めることができます。その分、工事内容や周囲の環境に合わせて組み立てる必要があり、工事現場でも重要なものとされています。

また建設業界には「本設」と「仮設」という言葉がありますが、足場は作業を行うための仮設設備であることから仮設になります。建設物が完成すると解体され、撤去されます。ちなみに建設が完了した建設物を本設と呼びます。

足場は主に大きく分けて2種類に分類され、一つはパイプや丸太を使って組み立てる「組み立て足場」と吊りチェーンや金具を用いて上から吊り下げる形で組み立てる「吊り足場」があります。今回紹介する足場はこの組み立て足場の一種です。

単管足場は、直径48.6mmの鉄パイプのような単管を用いて、つなぎ止め金具である「クランプ」という部材を組み合わせ作る方法の足場のこと。

長く活用されてきた歴史のある仮設足場で、その昔は木の丸太と紐で組み立てられているものでした。
足場の形状を柔軟にアレンジさせながら設置することが出来るので、狭い場所でも足場を組むことができ、付属品も少ないため比較的簡単に組み立てられるのがメリットです。
その分強度や安全面については、枠組足場と比べると劣る部分もあり、低層の建物に向いており高所のビルなどの工事には不向きです。

単管足場を構成する名称と役割

単管足場を構成する名称と役割

単管足場を構成するそれぞれの名称や役割は以下になります。
安全な足場を組み立てるためにも、まずは構造を理解しておくとよいでしょう。

建地(たてじ)

足場などの仮設構造物へ地面と垂直に立てられた支柱のことを指し、建地と書いて「たてじ」と読みます。支柱となる建地がゆがむと足場全体に影響が出てしまうため、大事な役割を担っています。事故などを防ぐためにも、垂直に立てることが大切です。

布と聞くと衣類やクロスなどを連想しますが、足場での「布」はそれらと違い、水平材や水平補強材を指します。水平材とは建地と建地を水平方向に固定するための部材のこと。特に現場でよく耳にする「地上第1の布」は足場の一段目における水平材のことで、地上から高さ2m以下にすることが定められています。

腕木(うでぎ)

腕木は支柱となる内側・外側の2本の建地間を繋いで固定する横材のこと。歩み板や布丸太などといった作業板を設置するために必要な足場部材の一つです。水平という意味から、建築業界では別名「転がし」や「転ばし」などと呼ばれることもあります。

筋かい(すじかい)

縦地と縦地の間に斜めに入れて、足場の構造を補強するための大切な部材です。「筋交い」または「筋違い」と表記され、英語で「ブレース、ブレス(brace)」と呼ばれることも。足場が水平方向から力を受けると、足場は接合部に強度がないと平行四辺形の形に変形してしまう恐れがあります。対角線上状に筋交いを入れることで三角形の構造を作り、変形を防止する役割を果たします。

根がらみ(ねがらみ)

足場の支柱(建地)がズレないように、足場の根元を固定して強度を高めるための水平の部材のこと。足場の部材のなかでも必要不可欠な存在です。

敷板(しきいた)

足場が地面で滑ったり沈下したりすることを防止することを目的に、地面に敷く板のこと。長さの目安は3~4m程度、幅の目安は30cm程度。敷角や敷盤と混同しやすいので気を付けましょう。

作業床(さぎょうゆか)

文字の通り、作業するための床のことで、高さが2m以上の場所で行なう作業において落下などを防止するために設置することが厚生労働省でも定められています。建築業界では作業板のほかに「踏床」、「足場板」と呼ばれることもあります。

手すり

作業床を移動する時や作業時に、安全のために掴めるよう設置する手すりのことです。高所で作業する場合は、手すりに安全帯をかけたりします。

中さん(なかさん)

作業床と手すりの間に取り付ける水平の部材です。「中さん」のほかに「下さん」もあり、こちらは交差筋交いの下に取り付ける部材のことです。「さん」は敬称の「〇〇さん」ではなく、「桟」のことを指し漢字で表記すると「下桟」「中桟」となります。

建設現場で高所からの墜落・転落などを防ぐために平成27年から設置が義務付けられました。
作業員がしゃがんだ時に足場から落下するのを防止する役割があり、中さんがあればしゃがんでの作業も安心して行えます。

幅木(はばき)

足場の床の外縁に取り付ける板材のこと。「幅木」も「中さん」と同じく、作業員の墜落や工具の落下などを予防するために平成27年から設置が義務付けられました。
別名、「巾木」や「つま先板」と呼ばれることもあります

単管足場に用いる部材の名称

単管足場に用いる部材の名称

単管足場の構造の名称をご紹介しましたが、次に実際に組み立てていくときに使用する主な部材の名称をご紹介いたします。
弊社宮脇鋼管では、足場パイプとジョイントするクランプなどを単体で扱っております。
パイプも長さや大きさなどさまざまなタイプに対応しておりますので、必要に応じて気軽にご相談ください。

単管パイプ

単管パイプとは、足場材として使用する直径48.6mmのパイプの形をした鋼管のこと。単管パイプは別名で「単管」や「パイプ」と言われています。

固定ベース

地上に設置して、建地の単管・パイプをしっかり固定しながら足場の強度を高める資材です。

クランプ

クランプは英語で「締める」の意味を指し、単管パイプなど足場で使う資材を挟んでつなぐ工具のことです。主に、直交クランプと自在クランプを使い、強度や重荷によって使い分けています。

単管ブラケット

ブラケットは水平材、斜材、垂直材および建地へ取り付けて足場の部材を繋ぐための部材です。2個の取り付け金具より構成されており、形状により、固定型、伸縮型、張り出し型に分類されます。
ブラケットは柱に固定して足場材を支えるように設計されており、作業員の安全を守るために大切な役割りを果たしています。

ジョイント

単管パイプ同士を繋げる資材で、パイプを付け足すために使用されます。主な種類に直線ジョイント、マルチジョイント、ドブメッキジョイント、手すり用ジョイントがあり、役割に合わせて使います。

単管足場の組み方

単管足場の組み方

単管足場がどういったものかを説明しましたが、次に大まかな組み立て方について順を追ってご紹介します。

単管足場の組み立て方1:敷板を設置する

まずは、足場が滑ったり沈下してしまったりしないように、地面に敷板や敷角を設置していきます。その上に固定ベースを設置します。

単管足場の組み立て方2:支柱を組み立てる

敷板や敷角の上に単管ベースを基準とし、まずは縦方向の単管パイプの支柱を組み立てていきます。支柱と支柱を連結させるときは、根がらみ(※上記参照)を使用します。

単管足場の組み立て方3:枠の組み上げを行う

単管パイプ同士をジョイント金具であるクランプを使って、枠を組み上げます。注意すべきポイントは、クランプの「締め付けトルク」です。標準値を意識して、なるべく均一に締めることで、枠組みがより安定性が保たれるとされています。枠組みが完成したら、足場板を渡して単管に固定していきます。

単管足場の組み立て方4:壁繋ぎで固定する

建物の外壁から足場を組んでいる単管は、壁繋ぎを使って固定していきます。筋交いを設置することで倒壊防止となるので、筋交いを枠外へ斜めに固定するようにして補強していきましょう。

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