鋼管うんちく

「ピンホール(孔食)」って何? 配管などの鋼管にピンホールが発生する原因や対策は?

ピンホール(孔食)って何? 配管などの鋼管にピンホールが発生する原因や対策は?

長年使っている配管の鋼管には、劣化などが原因でピンホールなどのトラブルが発生することがあります。
住宅の水道用配管でもこのピンオールよって水漏れが起こってしまうことも…。

このピンホールは一体どういったものなのか、また何が原因で起こるのかを今回の記事で解説していきたいと思います。

また、あわせてピンホールを防ぐ対策方法や対処方法もご紹介いたします。

鋼管のピンホールの原因について:「ピンホール」とは?

鋼管のピンホールの原因について:「ピンホール」とは?

給水や給湯用に使われる配管の鋼管において、水漏れのトラブルの原因は「ピンホール」が多いと言われています。そもそもピンホールとは、一体何なのでしょうか?

ピンホールは漢字だと「孔食」(こうしょく)と表記し、金属の表面に発生する局部腐食の一種とされています。
一般的に腐食と聞くと鉄の赤さびを思い浮かべますが、ピンホール(孔食)は文字のとおり、孔が開いたように金属の表面に針でついたような小さな穴が開き、その内部やまわりでどんどん腐食が進行していく現象を指します。

水漏れなどによってピンホールが発覚するパターンが多く見られますが、穴が小さいと漏水に気づかないだけでなく、どこから漏水しているのかがわからない状況に陥ることも。

ピンホールがあると内部や周りも腐食していると考えられるので、早急な対処が必要です。

鋼管のピンホールの原因について:原因は?

鋼管のピンホールの原因について:原因は?

鋼管の表面に小さな穴が開いてしまうピンホールですが、その原因はさまざまです。
使用環境や流体の温度や流速、配管の材質など状況によっていろんな原因が重なり発生するといわれています。

ここではピンホールの主な原因について、解説していきます。

鋼管のピンホールの原因1

鋼管の使用年数にもよりますが、だいたいが経年劣化の原因よってピンホールが生じます。
ピンホールが発生する多くの鋼管は使用して15年以上経過しているものがほとんど。
もちろん使用している環境や条件によっても変わってくるので、20年経っても何もトラブルがない場合もあれば、5年でピンホールが発生してしまうこともあります。

鋼管のピンホールの原因2

配管のなかを通る流体が原因でピンホールが発生するケースもあります。
例えば、溶液内の電気イオンの影響であったり、水流の摩擦だったり、さまざまな原因が考えられます。

また給湯用の鋼管であれば、配管内を高温の水が流れていきます。水は高温になると気泡ができやすくなり、この泡が鋼管の曲がった部分などにぶつかり続けることでピンホールが発生することも。

「気泡で穴が開くのか?」と驚くかもしれませんが、強度のある建物の屋根なども長年ずっと雨風にあたっているとヒビが入ったり穴か開いたりしてボロボロになっていくことがありますよね。
それと同じような状況を想像すれば、ピンホールの発生がイメージしやすいかもしれません。

鋼管のピンホールの原因3

流体などの影響について紹介しましたが、そもそも鋼管自体にピンホールの原因が潜んでいることも。溶接ワイヤ表面に水分や油脂が付着していたり、溶接継手部にゴミやホコリが付着していたりするとそこから影響を受けてピンホールが生じてしまう可能性があります。

鋼管のピンホールの原因4

鋼管を製作する段階でいえば、溶接をする作業場所が高湿度状態であることも原因のひとつに挙げられます。
シールドガス流量の過不足や溶接時に流す電流が適切な設定ではなく高過ぎることも影響するので、配管を製作する際には気を付けなければいけません。

鋼管のピンホールの原因について:対策は?

鋼管のピンホールの原因について:対策は?

配管に発生するピンホールの原因を対策するする方法としては、ピンホールに耐えられる配管材料を選ぶことも重要です。耐食性や耐熱性に強い材質を選ぶようにしましょう。

【耐食性のある配管材料】

●合成樹脂管(架橋ポリエチレン、ポリブデン、塩化ビニールなど)
●耐熱樹脂を内面被覆した鋼管(耐熱型塩ビライニング)
●ステンレス鋼管 など

配管の材質については過去の記事でも詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

●関連記事:「配管の材質はどんな種類がある?材料の選定には注意が必要!?」

また、ピンホールの有無を調べることができるピンホール検査を定期的に行うことも大切です。
浸透液によるピンホール検査「浸透探傷検査」や放射線によるピンホール検査「放射線透過検査」、超音波によるピンホール検査「超音波検査」などのさまざまな検査方法があるので、日ごろから定期点検を欠かさず行いましょう。

鋼管のピンホールの原因について:対処方法は?

もし鋼管にピンホールが発生してしまった場合は、ただちに原因を追究して対処する必要があります。
ピンホールの修理方法は使用している配管の材質や種類、状態などによって異なりますが、基本的にはピンホール部を処理し、再溶接を施します。

ただし、古い配管にピンホールが発生した場合は、1か所だけでなく修理をしたところ以外にも穴が開いていたり、穴の予備軍があったりする可能性が。
このような場合は配管自体を新しいものに交換しましょう。

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